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【授業紹介】応用栄養学特別実習③(妊娠期の食事)

2022年06月28日専攻科食物栄養専攻

 専攻科食物栄養専攻では、2年次前期に「応用栄養学特別実習」を開講しています。この実習は、1年次の「栄養学特論Ⅱ」で学んだライフステージ別の栄養管理に基づき、実際に調理や献立作成、栄養教育を実施する授業です。

 2022(令和4)年6月2日(木)、模擬料理教室3回目のテーマは「妊娠初期の食事」です。

 「母親教室~鉄と葉酸を摂ろう~」というテーマを基に、初めての妊娠で妊娠初期のお母さんを対象者として想定し、模擬料理教室を行いました。

 今回のメニューは、「そばで作る明太子クリームパスタ」「レンジで作るナッツ入りポテトサラダ」「レンジで作る水菜とカブのスープ」「レンジで作るココアカップケーキ」です。

 妊娠中の食事はお母さんの健康と赤ちゃんが元気で健やかに育つために大変重要です。多くの栄養素を必要としますが、今回は鉄と葉酸に焦点を当てて行いました。

①調理手順の説明.png

調理手順の説明

 鉄は妊娠初期から積極的に摂っていきたい栄養素の1つで、酸素の運搬に必須のミネラルです。妊娠期には胎児の成長やさい帯・胎盤中への鉄貯蔵の増加などに伴い需要が増加するため、多くの鉄摂取が望まれます。

 今回のメニューである「そばで作る明太子クリームパスタ」は、鉄を多く摂取できるよう、通常はパスタで調理するところ、そばで代替えをしました。そばのほかにも、6月が旬のアスパラガスにも多くの鉄が含まれています。

 18~29歳の妊娠初期では9.0㎎/日の鉄を必要としますが、今回の献立では3.7㎎の鉄を摂取することができます。

②「そばで作る明太子クリームパスタ」の調理風景.png

「そばで作る明太子クリームパスタ」の調理風景

 葉酸は鉄同様、積極的に摂っていきたい栄養素の1つです。胎児の先天異常である神経管閉鎖障害の予防のため、妊娠前から十分に摂取していることが大切です。

 今回のメニューでは、アスパラガスに最も多くの葉酸が含まれ、1食当たり29µg摂取できます。葉酸は水溶性ビタミンであり、水に溶けだす性質があるため、茹でたり、煮たりするよりは、炒めたり、揚げたりする方が効率よく摂取できます。また、水菜にも多くの葉酸が含まれています。水菜は淡い色ですが、実は緑黄色野菜の仲間で葉酸が多い野菜の1つです。

 スープは電子レンジで作っているため栄養素を逃すことなく調理できることに加え、スープは汁ごと飲むので、水に溶けだしてしまっても効率よく摂取することが出来ます。

 今回は電子レンジを多く使っているため、時短にも繋がります。また、今回の食事が一度に全て完食できない場合でも、ココアカップケーキは後から食べることが出来るのでオススメです。

③左から:そばで作る明太子クリームパスタ、ポテトサラダ、水菜とカブのスープ、ココアカップケーキ.png

左から:そばで作る明太子クリームパスタ、ポテトサラダ、水菜とカブのスープ、ココアカップケーキ

■応用栄養学実習 授業紹介一覧

【授業紹介】応用栄養学特別実習①(災害時における栄養補給)

【授業紹介】応用栄養学特別実習②(離乳期の食事)

【授業紹介】応用栄養学特別実習④(高齢期の食事〔嚥下食〕)