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2024(令和6)年6月、教養演習のフィールドワークで4週間にわたり、富山市池多地区を学生たちが見て回りました。
昨年に引き続き、池多小学校の児童が以前作成した「池多いろはかるた」を主な手がかりに、読み札に出てくる旧所名跡、名産品などのゆかりの地を訪ねました。
最初に訪れたのは、開が丘のふもとにある戸隠神社でした。ため池が多い「池多」に雨乞いの神社が鎮座していることは、かるたの読み札「戸隠祭で雨を乞い」で確認しており、ぜひ取り上げたいスポットでした。
訪問して驚いたのが、力石とも呼ばれる盤持石があったことと、かつては古洞ではなく、古筒と表していたことを示す記念碑を見つけたことです。
後日、漢字変更の由来を調べに呉羽射水山ろく用水土地改良区の事務所を訪問しましたが、明らかにはできませんでした。
他の神社にも盤持石があるのか調べてまわるなかで、平岡で馬頭観音に偶然出会いました。小杉と婦中を結ぶ県道の脇にあり、県道からはほとんど見えない位置でした。ずいぶん大きな石碑の観音様で、この道が昔から往来が盛んだったことを示すものと思われます。
神社巡りのなかで、平岡の神明社で石造りの珍しい二宮金次郎像に遭遇しました。なぜ神社にあるのか、どうして石造りなのかは確認できておらず、次年度の調査チームに委ねたいと考えています。
また、神社のそばでメダカを発見しました。絶滅危惧種となっている野生のメダカですが、池多の自然の豊かさを表すものと思いました。ぜひ、次のかるたに取り上げてもらいたいものです。
最後に訪れたのは、細工瓦が目を引いた瓦屋さんです。「煙もくもく瓦工場」との読み札もあり、池多がかつては瓦の生産地だったことがわかります。この一帯は縄文・弥生時代からの焼き物の遺跡が数多く残る地であることが昨年の調査チームによって明らかにされています。
取り上げていない読み札はまだまだあり、これから先の調査チームにもぜひ池多の魅力の再発見に頑張ってもらいたいです。
調査に関わった学生の感想をご紹介します。
①今回調べた池多地区は私の自宅と近くなので、知っていることばかりだと思っていましたが、実際に池多地区の歴史や自然に触れたことで多くの発見がありました。今年はとても暑く歩くのも大変でしたが、先生を含めた5人で調査できて良かったです。
②教養演習の授業を通して池多地区の魅力に気づくことができ、また、とても楽しい時間になりました。
③茶畑や瓦の歴史、馬頭観音のことなど、とても勉強になりました。
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