News
食物栄養学科2年後期に開講している「調理学実験」の授業で行った、だしの飲み比べの内容を紹介します。
「だし」は、味噌汁やお吸い物、煮物など、日本の食卓には欠かせないうま味の主役です。今回、このだしをただ飲むだけでなく、「おいしさ」を科学的に評価しました。料理をおいしいと感じるときには、舌で感じる味だけではなく、目で見る色、鼻で嗅ぐ香り、噛んだときの食感(歯ごたえ)、のどごしなど、「五感」全てを使っています。
食品をヒトが試食し、その品質(おいしさや見た目など)を評価することを、「官能評価」といいます。今回は、4種類のだしを飲み比べました。
実験を行った場所は、食品の「おいしさ」を正確に評価できる設備が整った「官能評価室」です。官能評価室のそれぞれの席の間には高い間仕切りがあり、隣の人が評価している様子が見えません。会話も厳禁です。なぜかというと、誰かが「これ、塩辛いね」と言うと、その言葉に引っ張られて、自分も「塩辛い」と感じてしまうことがあるからです。他の人の意見に影響されず、自分の五感を集中させて評価するために、静かで落ち着いた雰囲気がとても大切になります。
また、だしは官能評価室の外の準備室から、それぞれの席にある小さな扉を経て提供されます。こうすることで、試食の準備をしている人の様子や、提供されたお皿の見た目の情報が、評価に影響しないように工夫されています。
調理学実験では、ただ料理を作るだけでなく、今回のような「官能評価」など、様々な体験を通して、調理を科学的に考えて学びを深めています。料理のおいしさの裏側には、科学があることを実感できる授業です!
〔学生の感想〕
・官能検査室を初めて使用して試飲・評価ができ、調理室などの通常の環境と比べて情報の遮断性が高いため、
より繊細な評価が出来たように感じました。
・調理室で行った官能評価は、完全に味に集中出来ず、周りの意見に流されましたが、官能調査室では、1人で
味と向き合えたため、自分の感じ方を素直に書くことができました。
最近の投稿