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『障害者ケア論Ⅱ』 ~重度障害者の方との対話から学ぶ~

2025年01月30日健康福祉学科

 2025(令和7)年1月14日に実施した「障害者ケア論Ⅱ」の授業では、富山市にあるNPO法人 文福の中村薫さんにご講義いただきました。

 中村さんは、出生時より重度の身体障害がおありで、高等部までを石川県の特別支援学校で過ごされ、卒業後は富山市の障害者施設に入所。その後、ご両親のおられる魚津市の自宅に戻られました。

 ご両親と10年間過ごされた後、お母様の病気を機に、60歳手前から富山市で一人暮らしをしておられます。

 

講義は、健康福祉学科長の中島教授とのトーク形式で行いました。

 

 当時はまだ施設サービスが柔軟ではなく、利用者本位よりも施設のスケジュールや規則に沿った生活を送っておられたため、不便に感じることも多くあったそうです。

 一方で、現在の一人暮らしは、自分の意思で行きたい所や食べたい物、スケジュールを決定することができ、周囲の方々に支えられながらも自分らしい生活が実現できていると話してくださいました。

 また、趣味である絵画もヘルパーさんに手伝ってもらいながら、左足で器用に描かれ、楽しんでおられるとのことで、たくさんの作品をみせていただきました。どれも細かいタッチで繊細に描かれており、一同とても驚きました。

特に「ひまわり」の花がお好きで多く描かれているとのこと。小さい作品は3か月、大きいものは1年かけて制作される。

 

 その他にも、朝起きてから夜寝るまでの実際の生活の様子を、写真を交えながら説明していただきました。教科書では学ぶことのできない貴重な当事者のお話に、学生たちはいつも以上に真剣な表情で聴き入っていました。

<講義後の学生の感想>

  • 辛いこと、たいへんなことがあっても乗り越えてきた中村さんは、とても素敵でかっこいいと思った。
  • 本人の思いを理解することが大切で、関わるうえで本人の気持ちを尊重することを忘れてはいけないと思った。
  • 利用者の自己決定を尊重できる介護職を目指したいです!

 中村さんは障害を持って生まれたことによって、たいへんなこともあったけど、たくさんの人に出会うことができたことは「心の中の宝石」であるとおっしゃっていたのが印象的でした。

 私たちも中村さんとの出会いを大切に、障害の有無に関わらず、誰もがすごしやすい地域社会を実現できるよう、また、本人本位のサービス提供をかなえられる福祉の専門職になれるよう、今後も学びを深めていきたいと思います。

 中村さん、貴重な体験談をどうもありがとうございました!!