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専攻科食物栄養専攻の2年次には、今まで座学で学んだライフステージ別の栄養管理についての知識を生かして模擬の料理教室を開催する授業「応用栄養学特別実習」を開講しています。この授業では、学生たちが順番に講師を務め、テーマや対象者を設定して、授業を進行します。
2024(令和6)年7月4日(木)、第2回目となる今回の授業では、講師役の学生2名が、嚥下機能が低下したご家族がいる家庭を対象とし、「今日からできる!基本の嚥下食教室」のテーマで料理教室を実施しました。嚥下食の基本を学ぶことが出来る、「サケの塩焼き」、「ほうれん草のピーナッツ和え」、「かぼちゃの煮物」、「豆腐とねぎの味噌汁」、「ゼリー粥」を作成しました。
授業風景 1
授業風景 2
授業風景 3
嚥下食とは、飲み込みや噛む力(咀嚼)などの機能が低下した方向けに、嚥下機能のレベルに合わせて、形態やとろみ、まとまりやすさなどを調整した食事の事です。
また、嚥下食には、日本摂食嚥下リハビリテーション学会が作成した、「嚥下調整食分類2021」という分類があり、この分類では嚥下機能の低下の状態に応じ、食事の柔らかさや形態が分類されています。今回の料理教室では、この「嚥下調整食分類2021」におけるコード3、コード2-1を常食から展開して調理し、それぞれの食事形態にはどのような違いがあるのかを実際に試食をして感じてもらいました。
嚥下食の調理では、ミキサーやハンドブレンダーなど様々な器具を用います。また、食材を半固形に成形したり、液状のものにとろみをつけるために、様々なゲル化剤を使用します。
対象者役の学生は説明をよく聞き、手際よく嚥下食を調理していました。
うまく進行できない場面もありましたが、講師役の学生2名は無事、料理教室を終えることが出来ました。出来上がった嚥下食は、常食、コード3、コード2-1の順番に並べ、見た目や形状、量の違いを比べてから試食を行いました。
できあがった料理
学生からは、「実際に食べ比べてみることで、コードの違いが分かりやすかった」「ゲル化剤の特徴が分かった」という感想がありました。日本は超高齢社会に突入し、高齢者の割合は増え続けると予想されます。フレイル予防も重要な課題となるため、今後も栄養がしっかり摂れて美味しい嚥下食について学んでいきたいです。
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