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食物栄養学科では、実験操作の基本を学ぶとともに食品中に含まれる主な栄養成分についての実験を行い、分析法を身につけることを目的とする授業「食品学実験」を1年前期に開講しています。
今回は、調味料「食酢」の酸味成分である「酢酸」の量を測定した授業内容を紹介します。
測定の原理として、酸と塩基の化学反応、中和反応を利用します。
授業では、実験操作などの説明を行ってから、班ごとに実験器具を用意します。
実験器具の準備完了後に、サンプル調製を行います。
食酢のままでは濃度が高すぎるので、メスフラスコを使って正確に10倍に希釈します。
希釈したサンプルを、正確に10mL採取するため、ホールピペットというガラス器具を使用します。
このガラス器具の使い方は慣れが必要なため、慎重にサンプルを採取します。
これらの準備が整ってから分析を開始します。
サンプルを三角フラスコに入れ、ビュレットという細長いガラス器具を使って、少しずつ水酸化ナトリウム溶液を加えていきます。
フラスコ中のサンプルは、ほぼ無色透明です。
この中には、フェノールフタレインという指示薬(色が変わる試薬)を加えてあります。
水酸化ナトリウムを少しずつ加えていき、この写真のように僅かなピンク色になったところで終了します。
加えた水酸化ナトリウム溶液の量から、サンプル中の酢酸量を計算で求めます。
水酸化ナトリウム溶液を加えすぎると、このように濃いピンク色になります。
この状態になると、実験は失敗になるので、入れすぎないように慎重に行う必要があります。
実験終了後、食酢中の濃度を計算してから、実験レポートを提出して終了となります。
この授業では、基本的な化学の知識が必要となるため、学期の序盤は基礎的な説明を行うことからスタートしていきます。また、高校時代の理科の授業選択によっては、何年間も実験室に入ったことがないという学生もいるため、少しずつ実験器具に慣れてもらいながら、授業を展開していきます。
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