2019(令和元)年5月11日(土)、幼児教育学科1年生が「野鳥観察の日」として富山市の呉羽山一帯の自然散策を行いました。
この催しは、富山県が主催する愛鳥週間行事の一環であり、愛鳥週間(5月10日~16日)にあわせて、野鳥を中心とした自然に興味を持ち、自然と人間とのかかわりについて体験的に学ぶもので、今年で43年目になります。(共催:富山県自然博物園ねいの里)
ナチュラリストの解説を聴きながらメモをとっています
学生たちは5班に分かれ、ナチュラリスト(県自然解説員)や県自然博物園『ねいの里』の職員の方々から、羽の色や鳴き声、飛び方などの特徴を聞きながら、安養坊の八幡社から遊歩道を長慶寺の五百羅漢まで約2kmにわたって散策しました。
道中では、森のあちこちから聞こえてくる鳥のさえずりに耳を澄ませたり、手で植物にふれたり、図鑑を片手に双眼鏡で観察したりしながら、この時期ならではの新緑の呉羽山の自然を満喫しました。
双眼鏡でエナガを発見!
鳥の声がする方向を探します
野鳥のビンゴカードを手にしながら観察することで特徴をつかみます
里山を代表する「キビタキ」や、「シジュウカラ」「ウグイス」「ヒヨドリ」などの鳥の鳴き声や姿を確認することができました。また、呉羽山に生息する鳥以外の動物や樹木、草花についても貴重な解説を伺うことができました。
シロダモの新芽の感触を手で確かめてみます
クルミが割れているのは、動物がいた場所を証明するフィールドサイン
ハルジオン
ハシボソガラス
【 参加した学生の感想 】
- 散策中に耳を澄ませると、鳥の鳴き声や羽音がよく聴こえてきました。それは、鳥によって全然違うものでした。聴覚を研ぎ澄ませることで、それぞれの特徴について深く理解することができました。
- 鳥の声がする方向を友人と協力して探し、双眼鏡で「キビタキ」を発見できた時には、達成感がありました。
- 保育者になったときには、今回の経験を生かして、子どもたちと一緒に鳥のさえずりを聴いたり、葉っぱや木の実を触ってみたり、花の香りを嗅いだりして、五感を使って新たな発見をする楽しさを伝えたいです。
- 呉羽山を散策したのは今回が初めてでしたが、空気の新鮮さを味わい、足の裏で大地の感触を感じ、自然の豊かさや素晴らしさを体感することができました。
- ナチュラリストの方が、私たち学生に自然の説明をしてくださるとき、答えを全て言うのではなく、「なぜかな?」「どうやってかな?」と言葉を投げかけてくださいました。そうすることで、自分自身で答えや魅力、不思議さを考え、見つけ出す楽しさを感じることができました。このような言葉がけや、子どもに対する思いやりを大切にしたいです。
見晴らしが良い場所までやってきました
西洋ツバキ
新緑の中を歩きます
この自然とのふれ合いは、いきいきとした環境教育のあり方について考える機会となり、将来、幼児教育に携わる学生たちにとって、自然をうまく利用して子どもたちと過ごしていくためにも、貴重な体験でした。
参加者一人ひとりが五感をフルに使って心静かに自然とふれ合う、充実した一日となりました。
今回は、高木学科長担当の「基礎演習」の授業も兼ねており、幼児教育学科がめざす人材育成の柱の1つである「豊かな感性と子どもへの深い愛情を育む全人教育」として、まさに体験を通しての気づきを重視した授業内容と課外活動によって、一人ひとりの感性が磨かれたことでしょう。
最後に全員で鳥合わせをしました
確認できた鳥を読み上げています
タケノコの生長が早いのは茎の先端にある生長点がたくさんあるから
思わず息を吹きかけたくなるタンポポの綿毛
おそろいのトミタン・ポロシャツを着て元気いっぱい!
なお、この野鳥観察会の様子は、翌日の北日本新聞の記事で紹介されました。
双眼鏡だけでなく、肉眼でも野鳥をみつけられました!
今回お世話になった県職員とナチュラリストのみなさま、ありがとうございました。
長慶寺の五百羅漢まで歩いてきました
可憐な草花に癒されます
今回学んだ自然と人間のかかわりについて、子どもたちにも伝えていきたいです!