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食物栄養学科では、調理や栄養についてだけではなく、食品や調理器具などの「衛生」についても学習します。
今回紹介する「食品衛生学」と「食品衛生学実験」の授業では、食中毒菌をはじめ、食の安全(衛生)に関するさまざまな因子について学ぶとともに、食材の鮮度の判定方法や微生物実験の測定法などについて学びます。
「美味しいおにぎりにも潜んでいるかもしれないあの細菌の話」
細菌とは、微生物の一種で、単細胞の原核生物です。細菌は、食品の発酵(ヨーグルトや納豆等)に利用されるものがある一方で、食中毒の原因にもなります。
今回は、食中毒起因菌の1つである「ブドウ球菌」について説明します。
ブドウ球菌は、その名前の通り球状の細菌がブドウの房状に配列しています。健康なヒトの鼻腔や皮膚、頭髪等に常在している細菌です。
現在、49種類のブドウ球菌が知られていますが、中でも食品衛生上問題となるのが「黄色ブドウ球菌」です。黄色ブドウ球菌は、付着した食品(主にデンプン質の食品、おにぎりやサンドイッチ等)中でエンテロトキシンという毒を生成し、嘔吐を主症状とする食中毒を引き起こすことが知られています。
今回の授業では、素手でにぎったおにぎり、ラップを使用してにぎったおにぎりから、それぞれブドウ球菌を選択培養し、クランピングファクターを検出することで黄色ブドウ球菌か否か鑑別を行いました。
その結果、ラップを使用してにぎったおにぎりからはブドウ球菌は検出されませんでした。一方、素手でにぎったおにぎりからは、食中毒を引き起こす黄色ブドウ球菌も、それ以外のブドウ球菌も検出されました。
実験後、学生たちから「手にブドウ球菌が常在していることが目で見て分かり、手洗いの重要性を再認識することができました。」、「身近な食べ物であるおにぎりも、食中毒の原因になることが分かりました。」などの感想が寄せられました。
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